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COTASフォトグラファー・又来純氏インタビュー「webメディアと写真のこれからの関係」

2015年10月、COTASは廣田新編集長のもと、「未来が見つかるカルチャーメディア」という新コンセプトを掲げ、ロゴ、サイトデザイン等を一新しました。
今回は、COTASのリニューアルのタイミングにあたり、サイトのアートディレクションにおいて肝となっている記事の写真についてスポットを当ててみたいと思います。

COTAS全体のフォトディレクションを担当しているのは、株式会社amana。主に広告における写真全般、動画、CG、web制作をはじめ、ストックフォトなど幅広いビジュアル・コミュニケーションの場で活躍するamanaがwebページではなく、webメディアに携わるのは初めての挑戦。COTAS内の全写真は、株式会社UN(amana group)のフォトグラファー、又来純氏が撮影しています。普段は広告業界で活躍中の又来氏にCOTASのフォトディレクションについてインタビューしました。

Interview by Mai Shibatani | Photos by Naomi Okubo

2015.10.29[Thu]

「会議室から出ましょう」という言葉に感化された

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又来純氏の作品1
——「個」を足すことで「未来が見つかるカルチャーメディア」というコンセプトを掲げたCOTASは、記事の内容だけではなく、サイト内のアートディレクションにおいても新しいことにチャレンジしたいという気持ちが編集部内にありました。そこで、普段仕事でもお付き合いのあるamanaさんといっしょに何かできないかな、というのがそもそものきっかけになります。amanaさんにはたくさんのフォトグラファーが所属していますが、その中でも又来さんにお願いすることになったのは、又来さんの写真には予定調和じゃないよさがあるなと思ったからです。又来さんには、まずCOTASの編集会議に参加してもらいました。

又来:最初に編集会議に参加したときに、編集長の廣田さんが「会議室から出ましょう」と言っていて、その言葉がとても印象に残りました。レコードでいうB面みたいなのをやりたいと言っていて、なんか王道ということではないけれど、今までの電通の情報発信の在り方とは違うことをやりたいということなのかなと。

——実はCOTASの写真は全部フィルムで撮影されています。それが結果的に他のwebメディアとの差別化になり、サイト全体のアートディレクションの肝になっていると思いますが、フィルムで撮ろうと思ったきっかけはなんだったのでしょうか?

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又来:フィルムじゃなくてもいいかなとは思っていて、フィルムにしたのは正直言うとノリというか、普段はデジタルの仕事が断然多いのですが、webであえてフィルムでやるほうが面白いなというのがありました。コストの面とかも考えて、普段だとできないことにチャレンジしたいなと思いました。やっぱり好きなことをやらないと、こういうメディアは続かないかなと思うんです。フィルムのカメラで撮影するというのは、自分のモチベーションのためのいいスパイスになっていると思います。

——撮影場所も普通、ビジネス雑誌などのインタビューといったらどこか会議室などの無機質な室内で撮影されているのが多いですよね。「ろくろを回す」みたいなインタビューの時もお決まりのフォーマットすらあると思います。

又来:やるならやっぱり、見たことないものを作りたいという思いがありました。撮影場所を変えたというところが、撮影される側の人の表情だったり、全体の絵づくりにいい影響をもたらしたと思います。

——ちなみにCOTASの取材の際に使われているカメラは、実は3種類のカメラを駆使して使われています。それぞれどういうカメラなのでしょうか。

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又来:このカメラは、ワイドラックスF7と言って、パノラマ写真が撮れるカメラなんですが、同じパノラマの中でもちょっと外した表現ができる完全に特殊なカメラです。いつかやってみたいけど、通常の仕事だと使えないようなそんなカメラです。実はこのカメラ、初めてのCOTASの撮影の2日前に買ったんです。使い方もよくわからなかったし、本当に使えるかどうかもわからないくらいのちょっと怪しい中古屋さんで買いました(笑)。最初は使うつもりもなかったのですが、テスト本番みたいな気持ちでやってみて、あがりを見たらwebサイトの横長のフォーマットにすごいはまっているなと思いました。写真としてパンチがあってワイドラックスもいいなという発見がありました。

フィルムは、今の瞬間を切り取っている感じがする
いつなくなるかわからないものを楽しみたい

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又来:ワイドラックスの他には、ニコンF6と、ポラロイド600SEを使っています。
ポラは安定した見え方だとは思うのですが、今使っているポラもすでにあのフォーマットしかなくて、大判はなくなってしまったし、いつなくなるかわからないものだったりして、それがまたいいなと思っています。今の瞬間を切り取っている感じがして。富士フイルムが生産をやめてしまうとあの表現はできないので、いつなくなるか分からないものを楽しみたいという気持ちはすごくあります。

それと、フィルムで良かったことがもうひとつあって、COTASでインタビューされる方って、取材され慣れている人が多い中で、こういうカメラはあまり見たことがないみたいで結構喜んでもらえています。カメラに興味を持ってくれることで場が和んだり、表情も柔らかくなって、いい写真が撮れている気がします。

——写真の仕上がりだけではなく、取材される側のモチベーションにもアナログならではのよさが出てきていますね。

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又来純氏の作品2
又来:デジタルのカメラって日々性能があがっていて、おじさんたちが持っているカメラとぼくたちが持ってるカメラはほとんど変わらないですし、下手したらぼくらよりももっといい機材を持っていたりします。仕事でも普段からデジタルカメラにはお世話にはなっているのだけれども、昔のカメラのかっこよさがやっぱり好きです。

——それってカメラを初めて手にした時の、カメラってかっこいいっていう気持ちに近いのでしょうか?

又来:おそらくそれに近いと思います。カメラを撮るものではなくて、カメラという存在を持っていたいという気持ちというか。フィルムは正直デジタルに比べると不便でしかないけれど、性能じゃないところ、個性に惹かれます。

露出が足りない状況で無理矢理撮っても、なんかよく見えるときがあって、想像がつかない写真になるおもしろさが個性になってるかなと思います。その日のその人の雰囲気とか場所の空気とか天気とかを全て孕んでいて、その個性が結果的にインタビュー写真に向いていました。

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——突然ですが、又来さんが写真をはじめたきっかけってなんだったのでしょうか。

又来:もともと写真なんて興味なくて、触ったこともないくらいでした。高校生の時の進路相談で、勉強できなかったし、専門学校でもいこうと思っていたら、担任の女性の先生が厳しくて、色々候補を出したけど専門学校は許してくれなくて、そんな中思いつきでカメラマンとかでどうですか?って言ったらそれには賛成してくれたんです。で、すぐに「私の教え子で日芸の写真学科の子がいるから」と言って、その先輩を紹介してくれることになって、てっきりガタイのいいおじさんかと思っていたら、ハンパなくかわいい人で(笑)。めちゃめちゃかわいいんです。ぼくは17歳の少年だったのですが、その人はちょうど20歳くらいの女の先輩で。その先輩にカメラを貸してもらうことになって撮り始めたのがきっかけです。こんなきっかけでここまできています(笑)。でもカメラマンなんてそんな感じだと思います。今になってみると、高校の担任の先生に感謝ですね。

——又来さんにとって楽しい仕事はなんですか。

又来:最近はムービーが楽しいです。基本的にトリミングをしないで撮影段階で絵をつくっていくところに撮影者としてとても魅力を感じてます。PVなどはYouTubeなどにすぐにアップされて、良し悪し含めて第三者からの反応があり、面白いですね。今後はもっとチャレンジしていきたいですね。

——又来さんの写真はその場の雰囲気をうまく取り入れて撮られているような気がします。こういったインタビューの写真は撮られたことはありますか。

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又来純氏の作品3

又来:インタビューの撮影はほぼしたことないと思います。ただ、昔アシスタントだった頃から、ライブフォトをよくやっていました。雰囲気とか場の状況とかに合わせて撮る感じは、ライブフォトの影響が結構大きいかもしれません。あとそういった広告じゃないものを撮ると、リアクションを生で感じられるのもすごく楽しいです。ものづくりの楽しさですかね。

webにおける写真の地位を向上させたい

又来:「webなんでこんな感じで大丈夫です」みたいなことを言われることもありますし、webメディアにおける写真のクオリティーの優先度ってやっぱり低いなと思って見ています。webに対するそういった意識が変われば、いつもフィルムで撮っているwebメディアとかもきっとでてくるんじゃないかなと思っています。
広告でもかなりそういった傾向があって、現状ではまだマス広告とwebだと予算のかけ方もクオリティも結構差があると思います。でもどっちのほうが結局見られてるのかというと、webのほうなんですよね。ただ、最近webデザインのクオリティは格段に上がっていると思っていて。なので、COTASはwebにおける写真の地位を向上させるためにも、常にいい写真を発信していくことができればと思います。

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  • 又来純(またらい・じゅん)
  • Photographer
  • 1982年東京都出身。
    日本大学芸術学部写真学科卒業。
    現在、amanaグループ、株式会社UNに所属。
  • MAI SHIBATANI
  • Art director / / Dentsu
  • 女子美術大学卒。2010年電通入社。
    かわいい女の子と生牡蠣が好きです。