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New Conception of Music 第1回 tofubeats【後編】

J-POPとクラブミュージックの両輪を回す

——メジャーの仕事とは別になりますが、今年3月にリリースした「Drum Machine」っていう曲がありますよね。あの曲のリリースまでのスピード感がすごく印象的でした。あれって昨年末から一気に盛り上がった海外のアンダーグラウンド・ヒップホップ、特にYouTubeやSoundCloudで盛り上がっていたOG Maco「U Guessed It」Keith Ape「잊지마 (It G Ma) ft. JayAllday, loota, Okasian, Kohh」の流れ(※4)を受けてのものですよね。一部で「スクリーモ・ラップ」と呼ばれるような叫ぶようなラップの仕方や、シンプルな楽曲に関して踏襲されているなと思いました。あの曲の裏話を伺っても宜しいですか?

トーフ:あの曲に関しては動機は単純ですね。okadada(※5)さんとかと「ポッ!」っていう声真似をしていて、俺は自分でそれが出来ないと思ったんですよ。「そんな声出ぇへんわ」と思って。それで友人皆が沖縄旅行に行っているときに、俺だけ仕事でこっちに残っていて、腹立ちすぎて防音室で真似したら出来たっていう(笑)。「じゃあ面白いから、ちゃちゃってやるかー」って作った曲です。そのままそこにAmazonで2,000円ぐらいで買ったおもちゃみたいな魚眼レンズ置いて、レンタカー借りて動画撮って作りました。あれは趣味ゾーンですね。

——そうした趣味ゾーンの実験がメジャー仕事に活きるみたいなことはありますか?

トーフ:それこそdj newtown(※6)やったときとかそうですね。やっぱり仕事でやっているとまともな曲ばかり書くんで、外角に投げる練習みたいなのをたまにやらないと、出来なくなっちゃうんですよ。雑なのを作るってのがけっこう大事なんですよね。

——結局、「Drum Machine」は本家の「It G Ma」に参加していたKOHHさんがビートジャック(※7)してくれたということもありましたね。

トーフ:そうですね、パロディだっていうのを即座にキャッチしてくれたんでしょう。

——普通のJ-POPのリリースとは別に、クラブミュージックの特に移り変わりが早いところをキャッチし発信しているところに感心しました。J-POP的なものとクラブミュージックの両輪を上手く回しているというか。

トーフ:頑張って回そうみたいなのはあります。メジャーに行って一番びっくりしたのが、作ってからリリースされるまで時間がかかるってことなんで。当たり前のことなんですけど、それが当たり前と認識出来なかったので、その違和感は未だにちょっとあるのかもしれないです。昔に比べたら、よっぽど慣れましたけど。『POSITIVE』とかは、製作からリリースまで3ヶ月ぐらいかかるということが少し分かってきたってのもあるんじゃないですかね。


※4:OG Maco「U Guessed It」、Keith Ape「잊지마(It G Ma) ft. JayAllday, loota, Okasian, Kohh」の流れ…前者は昨年8月にYouTubeでPVが公開され、約4,000万再生、後者は今年の元日にPVが公開され、約1,600万再生に上っている。(数値はいずれも2015/11/25現在)

※5:okadada…関西を拠点に活躍するDJ、トラックメイカー。tofubeatsの楽曲には楽曲制作や歌唱、ラップなどでの客演も多い。

※6:dj newtown…tofubeatsの別名義。日本のインターネットレーベル「マルチネレコーズ」からリリースする際にはこちらの名義を主に使用していた。

※7:KOHHさんがビートジャック…KOHHは1990年東京都北区生まれのヒップホップアーティスト。ビートジャックというのは人の曲のトラックを用いて、原曲の歌詞を踏襲した歌詞を乗せるというヒップホップの形式。

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曲作りをしていると自分のことが分かってくる

——ハイペースな製作やライブ活動において、どのようなものをモチベーションにされているのでしょうか?

トーフ:いま探してますね(笑)。ハイペースだなって思うときはもちろんありますけど、やらないとうまくならないとも思っています。あと、やった後、1年後ぐらいに見ると面白いとも思いますね。自分が作った曲ってそのときの自分の感じが出るので。作っているときは絶対しんどいんですよ。楽なことは絶対ないんですけど、1年ぐらい経って聴くと「あぁこのときはトンカツ好きだったな」とか思い出すんですよ。そういうのが良いって思いますね。

マルチネ本(※8)にも書いたんですが、「トーフの場合、曲作りは自分のカウンセリングみたいなところがあるんじゃないか」とokadadaさんに言われたんですけど、実際そうなんですよね。作っていると自分のことが分かってくる。あと、ライムスター(※9)の宇多丸さんのすごく好きな言葉で「ラップの何がいいかっていうと、韻を踏まなきゃいけないルールがあることによって、思いもよらない言葉が出てくる。自分の中にあるけど普段しゃべっていて、自分では言わない言葉が出てくる。」っていうのがあるんですね。音楽全体でもそれは当てはまっていて、音楽を作ることによってメロディーを書いたりしなきゃいけないとか、自分じゃない人に歌ってもらわなきゃいけないということもあって、自分の中から自分じゃない言葉が出てくるというか。だけどそれは自分が書いているから自分の言葉であるという、そういうのが面白いと思いますね。作ったらそれを発見出来るっていうのがモチベーションになっているのかもしれないです。

——自分がこんな語彙があったんだとか、ここまで引き出しあったんだとか、そういう気付きがあるんですかね。

トーフ:そう、こういうふうに思ってたんだとか。作らないと無意識の部分がわからないっていうのがあってそれがすごく大きいモチベーションですかね。

——上達の話に繋がるかもしれないですけど、自分がどこまで出来るか見てみたいといったところなどはありますか?

トーフ:そうですね、作っていて上手くなるのかなぁと思って作るんですけど、作っていると上手くなるんですよね。僕、勉強とか一切していないですけど。仕事とかって訳もなく出来るようになるじゃないですか、あと何が手際を良くしているとか分かんないことがあるじゃないですか。だから手際がよくなる過程を記録しておくと、あとから見返して面白いっていう話ですかね。

——「こういうときにこれが出来るようになったのか!」という記録なんですね。

トーフ:だから言いたいことがあるというより、出来上がって1年ぐらい経って、そのとき言いたかったことがやっと分かってくる、それが面白い。


※8:マルチネ本…日本のインターネットレーベル「マルチネレコーズ」の10周年を記念した書籍「SWITCH特別編集号 Maltine Book」のこと。

※9:ライムスター…宇多丸、Mummy-D、DJ JINからなるヒップホップグループ。1989年 に結成され、日本のヒップホップ黎明期から活躍している。宇多丸氏はブラックミュージックや映画、アイドルなどの分野での評論家としても有名。

外仕事をやると自分の中心が分かってくる

——『POSITIVE』をリリースされた後の予定とかって決まっているんですか?

トーフ:イベントやったりとかになると思うんですけど。どうなるか全然分からないですよね。毎回作品って出るまで分からないんで。世の中がどう思うんだろうなーというのは気になっていますね。

——次のリリースの構想や、ネタみたいなのはありますか?

トーフ:いやもう全然ないです(笑)。こういうときはどっと外仕事も入りますし。しばらくは外仕事やっていこうかなって感じですね。やっぱり出たり入ったりして、そうするとまた自分の中心が分かってくる。作詞の話の Evernoteみたいな感じで、(前編参照)とりあえず手動かしてあとからそれを紐付けていくんですよね。

——常にモヤっとした、細かいネタみたいなのはキープしていると。

トーフ:そうそう、どれを組み合わせるかが難しいんですけど、それが出来たら完成までは早いです。

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ニューアルバム『POSITIVE』発売中

■リリース情報
発売日: 2015年9月16日(水)
価格: 【初回限定版】¥3,600(本体)+税、【通常版】¥3,000(本体)+税
参加アーティスト(五十音順):okadada、岸田繁(くるり)、KREVA、小室哲哉、Skylar Spence、玉城ティナ、Dream Ami、中納良恵(EGO-WRAPPIN’)

■収録内容

Disc1(CD)※初回盤・通常盤共通
1. DANCE&DANCE (intro)
2. POSITIVE feat. Dream Ami
3. T.D.M. feat. okadada
4. Too Many Girls feat. KREVA
5. STAKEHOLDER
6. Throw your laptop on the fire feat. 小室哲哉
7. I know you (skit)
8. Without U feat. Skylar Spence
9. すてきなメゾン feat. 玉城ティナ
10. くりかえしのMUSIC feat. 岸田繁(くるり)
11. 閑話休題 (skit)
12. 別の人間 feat. 中納良恵(EGO-WRAPPIN’)
13. I Believe In You

Disc2(DVD)※初回限定盤のみ付属、tofubeats MV集
1. 水星 feat. オノマトペ大臣
2. No.1 feat. G.RINA
3. Don’t stop the music feat. 森高千里
4. おしえて検索 feat. の子(神聖かまってちゃん)
5. ディスコの神様 feat. 藤井隆
6. Her Favorite & 衣替え
7. Come On Honey!feat. 新井ひとみ(東京女子流)
8. poolside feat. PES(RIP SLYME)
9. 20140803
10. 衣替え feat. BONNIE PINK
11. STAKEHOLDER
12. 朝が来るまで終わることのないダンスを

■関連情報
tofubeatsオフィシャルサイト
アルバム『POSITIVE』特設サイト

  • tofubeats
  • トラックメイカー/DJ
  • 1990年生まれ、神戸在住。学生時代からインターネットで活動を行い様々なアーティストのリミックスやプロデュースや楽曲提供を行う。 2013年4月にスマッシュヒットした「水星 feat.オノマトペ大臣」を収録したアルバム「lost decade」を自主制作にて発売。同年秋には森高千里をゲストボーカルに迎えた「Don't Stop The Music」でメジャー・デビュー。2014年10月2日( ト ー フ の 日 )に 、豪 華 ゲ ス ト ア ー テ ィ ス ト を 招 い た メ ジ ャ ー 1 s t フ ル ア ル バ ム 「First Album」を発売。2015年1月にリミックス・アルバム「First Album Remixes」を配信リリース。続く4月1日エイプリルフールにメジャー3rd EP 「STAKEHOLDER」をリリース。9月16日にメジャー2ndアルバム「POSITIVE」をリリース。
  • KAZUYA KISHIMOTO
  • Communication Designer / / dentsu
  • 2011年入社。クロスメディアマーケティング業務や、ソーシャルメディア分析業務などに従事の後、2015年より現職。趣味は音楽全般とインターネット。