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New Conception of Music 第1回 tofubeats【後編】

「CDが売れなくなった」「収益モデルの転換が迫られている」。こうした音楽業界の先行きを不安視する声が昨今すっかり定着してしまいました。しかし、その一方で人々は音楽から離れてなどおらず、むしろ人々が音楽と接する環境はより多様になってきたのではないでしょうか。例えば、CDは買わなくても、動画で音楽を聴いたりフェスに行ったり、演奏してみたり踊ってみたり……皆さん多かれ少なかれ思い当たる節はあると思います。

そうした環境下で、音楽に関する仕事をしている人たちは何を考え、創作活動を行い、生き延びるための環境を作っているのでしょうか? 当連載では、第一線で活躍されている方にこれらの疑問を伺い、その答えを通じて今後の音楽業界やコンテンツ産業のヒントを探っていきたいと思います。

前回に引き続き、アーティスト、DJ、音楽プロデューサーとして各方面で活躍されているtofubeats氏にインタビューしました。前回のインタビューは制作術を中心としたものでしたが、今回は音楽サービスの変化の影響やSNSの活用法など、よりプロデューサーとしての側面が垣間見える内容となりました。

Interview by Kazuya Kishimoto | Photos by Jun Matarai

2015.11.26[Thu]

サブスクリプション型サービス登場の影響

——制作から離れて、音楽視聴環境の変化などに関して伺いたいと思います。今、各種サブスクリプション型サービス(※1)って普及しつつあるじゃないですか。トーフさんって、大分前からアルバムのストリーミング公開やデモの無料ダウンロードなど取り組まれてきたと思うんですけど、そういう音楽の聴かれ方の変化の中で作り手として変化したことはありますか?

トーフ:今回のアルバムには露骨に作用していますね。これまではCDというフォーマットを念頭に置いてました。CDの最大の尺、80分ぐらい曲を入れるっていうのをすごい意識していたんですけど、今回全部で60分を切っていて、インスト曲(歌のない楽曲)の割合を大幅に減らしているんですよね。そういうのは、プレイリストみたいなイメージにアルバムが戻ってきたというか、サブスクリプション型サービスが出てきたからというのはあると思いますね。

——確かに洋楽もビルボード(※2)系とか聴くと、尺が短くなってきている印象はありますね。

トーフ:単曲自体の尺がJ-POPなんでそこまで削りにくいっていうのはあるんですけど、アルバム全体としてもうちょっと聴き味を滑らかにしたいなと思いますね。CDから好きな曲を取り込むっていう感じじゃなくて、プレイリストっぽさを意識しています。その感覚がちょっと掴めてきたのもあって、こういう尺のアルバムになりました。

——プレイリストっぽいと仰るのは、リスナーとしてのご自身の実体験が反映されていたりするんですか?

トーフ:アルバムを作っている段階ではサブスクリプション型がそこまで本格的に開始する前だったんですけど、なんとなくそうなるだろうな、みたいな予想がありましたね。リスナーは自分でプレイリストを作って聴くようになるだろうと。そのうちの1つに自分のアルバムがプレイリストとして載せてもらえるといいなっていうのは意識しましたね、だから無駄なインストとか入れないほうがいいのかなと思いました。スキット(短めの間奏曲)は入ってますけど。

——ご自身でサブスクリプション型サービスを使われたりしますか?

トーフ:使ってます使ってます。

——どういう使い方をされていますか?

トーフ:基本的には有線みたいな使い方で、BGMにしか使っていないですね。昔聴いてたMegoなどのエレクトロニカのレーベルや、ブライアン・イーノを聴くことが多くて、それはちょっと意外な発見でした。あとは、ホテルでBGMとして聴いたりとか、そういう使い方が多い気がしますね、今のところ。これを聴くぞ!という風に聴くのは難しい気がします。

あと、サブスクリプション型はレコメンド以外は知ってないと聴けないんですよね。それでレコメンドも知っている曲に紐付いたものしか基本的には出てこない。やっぱり突然ヘビメタが出てきて、ヘビメタの良さに気付くみたいなことは無いですよね。なので、そういう意味では自分の範囲を広げるサービスってよりかは、自分の知ってるものとかちょっと興味のある近隣のものを聴くのに適したサービスって感じがしますね。


※1:サブスクリプション型サービス…コンテンツを購入するのではなく、コンテンツを利用した期間に対して対価を支払うサービス。音楽においては「定額の聴き放題サービス」とほぼ同義。日本国内では今年2015年にAWA、LINE Music、Apple Music、Google Play Music などが相次いでサービスを開始。

※2:ビルボード…アメリカの音楽業界誌。日本のオリコンランキングにあたる「Billboard Hot 100」チャートで知られ、アメリカだけでなく世界中の音楽産業に影響を与えている。

キュレーションの重要性

——ちなみにサブスクリプション型サービスを聴かれるようになってからも、新譜ってまだ買っていらっしゃいますか?

トーフ:全然買いますね。自分、連載とかもあるんで、やっぱり新譜はしっかりチェックしておかないと書けないですね。あとサブスクリプション型サービスに戻りますが、Beats 1(※3)はホントに良く聴いてますね。あれほんとにいいですね、いいラジオだと思います。

——Beats 1の魅力はどういうところにあると思いますか?

トーフ:基本的にキュレーション力が高いと思いますね。日本のラジオも面白いですけど、キュレーションをしてくれているなっていうのは関西のラジオでは特にないので(笑)。Beats 1はキュレーションっていうのが全面に出てるじゃないですか。サブスクリプション型サービスだと、セレクトが大事になってくる。DJの仕事でこれからもう一個、大きいのが出てくるとしたら、それだと思うんですよね。やっぱり大量にあるものから選びとって、ある程度の趣味の人達に落としこむっていうのが出来るかっていうところとか。

——好みの音楽を提示しつつ、「じゃあこれはどう?」っていう変化球をときたま投げてみたりとか。

トーフ:そうですね。

——やはり、キュレーションでは期待通りのものと意外なものを織り交ぜるのが望ましいのでしょうか。

トーフ:そうそう、現場のDJとすべき仕事と一緒なんですけど。そこでジュークボックスになるか、DJになるかっていうのが決まってくると思いますね。


※3:Beats 1…Apple Music内で聴くことの出来る24時間放送のインターネットラジオ。Apple Musicに契約しなくても、無料で人気アーティストの独占インタビューや特集番組などのコンテンツを楽しむことが可能。
(次ページ 音楽産業への考え、SNSの活用法)
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