• Facebook
  • twitter
  • rss

未来が見つかるカルチャーメディア

COTAS

未来が見つかるカルチャーメディア

menu

    • ABOUT COTAS
    • MEMBERS
    • CONTACT
    • SHARE TO

SXSWで聞く、デジタルメディアレーベルluteが考える分散型メディアとしての「編集」

エッジなアーティスト、ビデオから生まれる「luteっぽさ」

ーーメディアの戦術の部分で分散型動画メディアというフォーマットは分かったのですが、このメディアを通して発信していきたいコンテンツや、達成したいものはどういったものになるのでしょうか? 企業における「ビジョン、ミッション、コアバリュー」にあたるものというか。

五十嵐:音楽ビジネス全体が過渡期を迎えるなかで、つくり方や売り方をシンプルに明るくしたいんです。ではそのために何ができるかというと、選択肢や視野を広げるためにも、まずはエッジーなものをたくさん作ることを選びました。

ーー「こういったアーティストをメディアで紹介したい」といったポリシーはあるんですか?

五十嵐:決まったポリシーはありません。「ジャンルは何をやっているんですか?」とか「新人を発掘するメディアなのですか?」といった質問を多く受けるのですが、「新人」という言葉は正しくないと思うんです。たとえば国内で言うと曽我部恵一(※5)さんや岸田繁(※6)さんのような新しいことにトライしているべテランもたくさんいらっしゃいます。僕らはそういう方々ともご一緒して、作品を広めていきたい。作品の切り口が固まる瞬間もたしかにあるのですが、特にジャンルにはこだわっていません。

ただ、作ってきた映像や関わってくださったアーティストさんの名前を見て、やりたい方向性やトーンを理解してくれる方が多くて救われています。しっかり言語化はしきれていないのですが、「luteっぽさ」が生まれつつあるのかもしれません。

画面キャプチャ

luteの映像作品に付けられた、ハッシュタグの一部。(luteサイトより抜粋)

武田:よくluteの会議で、「これはグローバルに届きうるよね」といった話をすることがあるのですが、そういったコンテンツは「国際標準で評価されるもの」と「日本らしいからこそ評価されるもの」の2つにわかれます。このグローバルとドメスティックのバランスをどうとらえ、コンテンツをつくっていくべきかという判断に「luteらしさ」の感覚が入ってきているような気がしますね。
F6_lute_003
五十嵐:たとえ話ばかりで恐縮なのですが、グローバルとドメスティックの感じがよくできているのが、「Red Bull Music Academy」界隈のテクノやハウスの人たちだと思うんです。そもそも東京でクラブミュージックをやっている人たちは、日本のマーケットでの評価をあてにしていません。SoundCloudには英語で音源を上げるし、自分がロンドンに行けば友達とギグをやったりしている。東京と国内の地方都市のシーンより、東京とロンドンのシーンの方が近かったりする。すでに音楽ジャンルによってはそれがとても自然になっていて、ではメディアは、といったときにできることがたくさんあるな、と思っています。
WIDELUX_SXSW_012

※5:曽我部恵一…ロックバンド「サニーデイ・サービス」のボーカル、ギターとしても知られるシンガーソングライター。2004年より自身のレーベル「ROSE RECORDS」を主宰している。

※6:岸田繁…ロックバンド「くるり」のボーカル兼ギター。アーティストの立場から積極的に音楽業界に対して意見を表明することや、鉄道マニアとしても知られる。

「カルト番組をやりたい」VICEとMTVから受けた影響

ーー分散型メディアはメインのドメインに置くものは最小限に、様々なプラットフォームでコンテンツを展開しますよね。現在分散させる先のプラットフォームとして気になっているものはありますか?

五十嵐:今一番気になっているもののひとつは、テレビです。それこそカルト番組のプロデュースなどやりたいです(笑)。もちろんそこにこだわっているわけではなくて、LINEさんやサイバーエージェントさんが持っているプラットフォームもすばらしいと思ってます。その上で、luteが今テレビを活用するとしたらカルト番組をつくりたい。

ーーさきほどluteを始めるにあたり、SXSWで情報収集をしたと伺いました。それ以外にヒントにされたものは何かありますか?

五十嵐:やはり海外のスタートアップは大きいです。プロジェクトの構想段階では、資金調達からビジネスの作り方、そして映像の届け方でVICEは勉強になりました。映像の中身という観点でいえば、MTVが参考になる。僕らのような音楽に関わる身とすれば、ミレニアル世代(※7)が面白がってくれる音楽の映像であればフォーマットは問わない。音楽の映像=ミュージックビデオとなりがちですが、ドキュメンタリーでもいいしバラエティでもいいんです。最近ではアニメ作品も制作しました。

参考になったコンテンツの例を挙げると、「Beavis and Butt-Head」(※8)ですね。半分は男の子二人がいたずらする映像が流れ、もう半分はその二人がカウチに座ってMTVを観るという設定になっています。そのなかでずっとメタルがかかっているのですが、そのフォーマットがすごい好きなんです。もしもハマるのであれば、こうしたフォーマットにもトライしてみたいですね。

ーーこれまでプロデュースしてきたもののなかで、五十嵐さんが個人的に特に気に入っているものはなんですか?

五十嵐:全部好きなので、難しいですね……。ただ、公開後に「やってよかったな」と思うものはいくつかあります。まず1つ目がエリザベス宮地さん(※9)に撮ってもらった「東京♡ヴァージン」という音楽ドラマ。ミュージックビデオが多々あるなかで、ドラマを作れたのは大きい。なぜならそれが一番生活の中の音楽を描いているからです。人々の生活のなかに音楽があることをより推していきたいし、生活のなかにlute的なものがあってほしい。なので、ああいった試みをできたのは本当に良かったと思っています。

東京ヴァージン 第1話

もう1つとても多くの反響をいただいたのが、Enjoy Music Club(※10)の「夏の魔法」ですね。男性同士のキスから始まって、キスで終わるビデオ。「Boy Meets Girl」「Girl Meets Girl」が多いなかで、「Boy Meets Boy」もののミュージックビデオが描けたのではないかと思っています。もちろんこれらは僕らの力じゃなくて、撮ってくださった方の力なのですが、そういった場を提供できたのがすごく光栄に思います。

ENJOY MUSIC CLUB「夏の魔法」

※7:ミレニアル世代…明確な定義は無いものの、2000年以降に成人となった、現在30代半ばくらいまでの世代を指すことが多い。いわゆる「デジタル・ネイティブ」とほぼ同年代。

※8:Beavis and Butt-Head…1994年よりMTVにて放送されたテレビアニメ。実際のアーティストのMVに対して主人公2人がテレビを観ながらツッコミを入れていくスタイルが人気となった。

※9:エリザベス宮地…代表作に、井上苑子「だいすき。」MV(監督)や、SHISHAMO「中庭の少女たち」MV(編集)などがある映像作家。ドキュメンタリー映画「ミヤジネーション」では主演を務めた。

※10:ENJOY MUSIC CLUB…略称は「EMC」の、3人組ラップグループ。NHK Eテレ「シャキーン!」やテレビ東京系「モヤモヤさまぁ〜ず2」などのテレビ番組に楽曲を提供し、人気急上昇中。

(次ページ 「デジタルメディアレーベル」luteの今後。)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Facebook
  • Twitter
  • Google+
  • はてなブックマーク
  • pocket
  • Facebook
  • twitter
  • rss
  • ABOUT COTAS
  • MEMBERS
  • CONTACT US
  • FOLLOW US ON
  • Copyright DENTSU Inc.ALLRIGHTS RESERBED
  • TOP