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SXSWで聞く、デジタルメディアレーベルluteが考える分散型メディアとしての「編集」

Interview by Shusaku Hirota & Kazuya Kishimoto | Edit by Ryoh Hasegawa | Photos by Naomi Circus

2017.06.30[Fri]

昨年より音楽業界を中心に、感度の高い人たちの間で急速に話題になってきている分散型動画メディア「lute」。こちらの動画のロゴをSNSのタイムラインで見かけたことのある人も多いかと思います。

lute / ルーテ Teaser Movie

MVやライブ映像、ドキュメンタリー等をハイペースで発信し、それらの動画は複数のWebメディアを通じて拡散する。いわゆる近年話題の「分散型動画メディア」であるlute。次々に話題を提供するluteを立ち上げたメンバーたちは一体何者なのか?そして、彼らの狙いは一体何なのか?何を考え、いかに発信していくのか?

今回、私たちはアメリカ、テキサス州で開催される国際的なカルチャー&テックカンファレンスのSXSW(サウス・バイ・サウス・ウエスト)に参加していた代表の五十嵐氏、編集長の武田氏に、lute設立の背景や、その狙い、また彼らが望む音楽業界の未来について話を伺いました。

「音楽の新しいフォーマットを作る」luteにつながる原体験

ーーはじめに、luteはいつから始まったんですか?

五十嵐:現在のluteの基礎となるものを、まずは僕が 2015年の秋口に立ち上げたんです。1本目の動画はマルチネレコーズ10周年イベント「天」のドキュメンタリー映像でした。

【ENG SUB】マルチネレコーズ10周年/Maltine Records 10th Anniversary – YouTube

ーー分散型動画メディアというフォーマットを選んだ理由は?

五十嵐:パーソナルな話になりますが、もともと祖父と父がレコード業界で働いていたんです。毎年紅白歌合戦を見ながら、父は祖父と「(紅白に出演している)このアーティストを担当しているんだ」といった話をするような家庭で育ちました。家ではいつも音楽が鳴っていて、物心ついたときには「僕自身も音楽のサポートをする側の仕事がしたい」と思っていたんです。

祖父や父の時代は音楽が産業として成立していたのですが、僕が大学を卒業して就職をするときは、ちょうどレコード業界が低迷しはじめた時期でした。国内では今のように革新的なスタートアップも出てきていなかったし、「CDが売れなくなる」と語られていた。自分はといえば「音楽をやりたい」という意志だけはあるけど、何をやるかは決めていなかったんです。結果新卒でレコード会社には入らなかったんですが、「自分自身が新しいコンテンツビジネスのフォーマットを作りたい」ということはどこか思っていました。

WIDELUX_lute_030
そこで、まず先輩のHR(人材・人事)系のスタートアップ企業で働くことで、新規事業や会社そのものの作り方を学びました。そんな生活をしているなかで、Spotifyのようなサブスクリプション型サービスが出てきていたこともあり、徐々に音楽を売るディストリビューションの部分に着目するようになったんです。音楽を売るという行為が、従来の形からデジタルを活用した方法に代替されそうだということに気づいたんですね。じゃあ今後人と情報が集まる場所がどこかを考えたときに、デジタルの世界でいえば「メディア」なのではないかと思い至りました。

3年ほど働いたあと、メディアジーン(※1)へ転職。lifehacker編集部に所属しメディアの運営を行いながらも、これまでに存在しないものを作りたいといつも思っていました。そこで、音楽業界でのメディア立ち上げの構想を持って、レコード会社に移ることにしたんです。それからは新規のデジタル事業をいくつか立ち上げながら、今日取材をいただいている場所でもあるSXSWのようなカルチャーやテック系のイベントにも度々足を運ぶようになりました。

WIDELUX_SXSW_003
SXSWに来て感じたのは、スタートアップカルチャーが単にプラットフォームやアプリを作るといった考え方だけを反映しているわけではないということでした。海外のスタートアップを見ていると、非常に柔軟な考え方で資金調達を行い、メディアやコンテンツも作っている。当時のVICE(※2)やTastemade(※3)の盛り上がりをみて、その戦い方と自分の構想がクロスしたんですね。折しも、会社の環境や自分のいた環境的にもチャンスを得られるタイミングだったこともあり、luteを立ち上げることができたんです。

※1:メディアジーン…GIZMODOやDIGIDAYの日本版や、ROOMIEなどのWebメディアを運営するインフォバーンのグループ会社。

※2:VICE…30カ国以上に拠点を構え、関連メディアも含めると世界での月間UU数は3億にも上るWebメディアグループ。1994年にカナダで発行されたフリーペーパーを起源とする。

※3:Tastemade…YouTubeやTwitter、Facebookやinstagramなど複数のメディアにレシピ動画を投稿するビデオネットワーク。2012年にアメリカで創業。

CHAI「sayonara complex」(このMVはSXSW期間中のオースティンで全編撮影された)

動画アーカイブを通じた編集、そして「場」づくり

ーーluteを立ち上げることが決まったあと、ネーミングも含めたコンセプト作りや、具体的にローンチするまでの過程についても伺えますか。

五十嵐:自分の中にキーワードとしてあったのは、「動画」でした。当時のトレンドとしても動画は注目されていましたが、音楽に置き換えて考えてみても、マス向けにクールに伝えられるフォーマットは動画なんですね。もう一つは「届けるための『場』を設ける」ということで、そのためにはどのようにプラットフォームを活用するかという点における編集力が求められると思いました。

当時、動画メディアというとアプリを作りたがる人が多かったのですが、僕はそれに少し疑問を抱いていたんです。でも僕の天邪鬼的な気持ちも働いて、分かりづらいけど絶対に面白くなるコンテンツを攻めたいと思った。そこで今luteでやっているような分散型としてプラットフォームを活用し、動画を展開していくメディアの戦略にしようと思ったんです。

F6_lute_007
ーーちなみにluteという名前の由来はどこにあるんですか?

五十嵐:はじめは「サラ」というコードネームをつけていたんです。インドの音楽の神様「サラスヴァティー」(七福神の弁財天に該当)の頭からとっていたのですが、商標が取れなくて。どうしようかと思っていたときに、サラスヴァティーが持っている楽器がリュートだったんです。それで「lute」と名付けました。

ーーロゴやデザインにもかなりこだわってますよね。細部までディレクションが行き届いていると思うのですが、どんなメンバーでやっているんですか?

五十嵐:さきほど言った分散型動画メディアを立ち上げるところまでは、僕一人で行いました。去年の11月からやっとβ版化した状態で、僕がluteのプロジェクト全体をハンドリングしながら、編集長に武田(俊)が立ち、映像監修に古屋(蔵人)が立っている、といった状態から始まっています。

ビジュアルにも当然こだわっていこうと思っていました。僕が当時ベタ惚れしていたのが、「Red Bull Music Academy Tokyo」(※4)が開催されたときの渋谷ジャックのアートワークを手がけた、いすたえこ(NNNNY)さん。彼女にはluteのビジュアル表現全般を監修してもらっています。

F6_lute_005

※4:Red Bull Music Academy…エナジードリンクメーカーのRed Bullが毎年異なった都市で開催する音楽イベント。世界中から選ばれた数十名の若いアーティストが集まりワークショップを行うほか、第一線で活躍する、現地のアーティストを交えたライブも行われる。2014年には東京で開催された。
(次ページ 「luteっぽさ」、そのルーツとは。)
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