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そのアイデア、世界を変えますか? 東京大学・横田幸信が語るイノベーティブなアイデアの作り方【後編】

優れたアイデアは、どのようにして生まれるのか?イノベーション基礎論からアイデア創出の方程式をご紹介した前編。後編では、ひとりで考えている時にも欠かせない「発想力」の鍛え方を交えながら、横田さんが注目する未来の姿を語っていただきました。

Interview by Takuya Fujita | Photos by Jun Matarai

2015.11.26[Thu]

あなたの発想力は「分解能」と「抽象思考」という2つの能力でできている

——発想力を育てるコツはあるのでしょうか?

横田:発想力とは何か、という話から始めたいと思います。ひとことで言えば「一見すると関係性が薄いものの間に関係性を見つける力」だと考えています。何かを見た時、他のものと似ていると思えることができればそれをヒントに様々な発想が生まれてきます。
よく「子どもってクリエーティブ」と言われますが、この関係性を見つける力は子どもから大人まで誰でも持っているものです。大事なのは、これをきちんと維持出来るか、願わくば伸ばせるかどうかに懸かっています。

ではこの力をどう伸ばすのか?コツは2つあります。
まず1つ目は「分解能」を磨くことです。毎日暮らしていて、「あ、これ面白いな」「アイデアだな」って思うことは何度もあるはず。そのとき、なんで面白いと思ったのか?背景も含めて理解する頭の使い方が「分解能」です。目の前の対象を、どんどん分解していっていろんな要素に分けていくのです。それは荒くたって構いません。分解した要素ごと、自分の引き出しの中にストックとして置いておけばいい。

2つ目は「抽象思考」です。出来ることなら高校生の頃の自分に伝えてあげたいのですが、数学をちゃんと勉強しておくことは意外に発想力を鍛える訓練にもなります。数学って、式ひとつで三次元の図をイメージしたり、非常に抽象的なモノからイメージを膨らませる能力が鍛えられるんです。
とはいえなかなか日常生活で数学を勉強し直すのは難しいでしょうから、日々「たとえ話」を作るのがオススメです。電流を水の流れに例えるみたいに、抽象的に考えると似ている自分の体験や知識と紐付けて、たとえ話をつくってみる。これを日常的に繰り返すんです。

あと付け加えるならちょっと精神論になってしまいますが、人間中心でアイデアを発想するためには、まず自分自身に対してリスペクトを持つ姿勢は不可欠だと思います。フィールド調査するとか事業アイデアを生み出すとかいう仕事だと、ともすれば客観的でロジックが通っていることが大切だと思いがちです。しかし、超個人的な経験だったり、ちょっとした些細な体験だったり、そういったことからの洞察が創造的な仕事に活きることは大いにありえるからです。自分の何気ない体験にも、実は意味があるかも…と思えるかどうかは、他者理解の姿勢にも大きな影響があります。人間中心で他者の体験や発言をリスペクトするためにも、まずは自分の体験をきちんとリスペクトする、というイメージでしょうか。

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大人も、トレーニングで子どものように自由な発想を手にできる

——子どもの話が出てきましたが、子どものような自由な発想って大人にも出来るものなのでしょうか?

横田:子どものクリエーションは、大人であっても再現可能ですよ。子どもも交えたワークショップはもちろん、大人向けワークショップもたくさん手掛けてきましたが、大人のプロは子どもの創造性を軽々と超えていく瞬間が何度もあります。

そもそも、子どもの自由な発想はどこから来ているか?という話なんですが、言語習得の過程であるためか、モノに含まれている意味をいろんな角度から読み取る力が子どもは強いんですね。あるとき、子どもたちにデザイナー体験をしてもらったときのことです。

まず世の中にあるいろんなモノのコンセプトを探ってもらったんですが、例えば高級スポーツカーを「風」と表現したり、「強い」と言ってみたり。防水スマホなんて、「男らしいスマホ」というコンセプトを見つけてくれました。素晴らしい切り口ですよね。同じモノなのに、意味をいろんな角度からのびのび見つけてくる。大人は、マーケティングを仕掛ける側の「こう見せたい」というプロモーションにいつもさらされているので、一つだけの側面に染まりやすいのかもしれません。

コンセプトに使える言葉のストックって、当然ですが大人のほうが実は多いものです。だから大人の方は日常生活において、目の前のモノのコンセプトをいくつかの視点で探っていく癖をつけるといいですよ。さらにそれを見つけたとき、似たものないのか?と思考を横展開するのも大切です。スポーツカーと防水スマホは、実はどちらも「男らしい」というコンセプトが隠れていましたからね。

(次のページ 注目している未来は、●●●●とおしゃべりできる日)

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